ディープテック4象限フレームワーク

社会的インパクトと技術的アプローチによるディープテックの分類

社会的インパクト(明確)
社会的インパクト(未知/不明確)
エンジニアリングで解決可能
サイエンティフィックな発明が必要
1

従来VCの投資領域

社会的インパクト明確 × エンジニアリングで解決

技術リスクはあるが投資回収の見通しは立ちやすく、従来VCでも手が届く領域。

特徴:

  • 技術的な不確実性はあるが、市場ニーズが明確
  • エンジニアリングで解決可能な課題

例:

  • 量子計算の一部応用
  • 先端製造装置
  • 応用志向のバイオテクノロジー
2

マーケットリスク型スタートアップ

社会的インパクト未知 × エンジニアリングで解決

マーケットリスクを追うという意味では、エンジニアリングに対するリスクが高くなければ、従来のスタートアップと近い領域。

特徴:

  • 市場の不確実性が主なリスク
  • 技術的には既存のエンジニアリングで解決可能

例:

  • 新規市場開拓型サービス
  • 新しいビジネスモデル
  • 既存技術の新しい応用
3

アカデミア/基礎研究領域

社会的インパクト未知 × 科学的発見が必要

ピュアな基礎研究領域。アカデミアが主戦場で、商用投資はあまり期待できない。

特徴:

  • 科学的ブレークスルーが必要
  • 社会的価値も不明確
  • 長期的な研究が必要

例:

  • 基礎科学研究
  • 理論物理学
  • 探索的な材料科学
4

DARPAや長期志向メガテック投資領域

社会的インパクト明確 × 科学的発見が必要

普通のVCが入れず、DARPAのような公的資金や長期志向のメガテックが担い手になる領域。専門的な知見を持つVCであれば投資可能なケースも。

特徴:

  • 社会的価値は明確だが科学的ブレークスルーが必要
  • 長期的な投資が必要
  • 成功時のインパクトが大きい

例:

  • 汎用AI
  • フルスケール量子コンピュータ
  • 核融合エネルギー

「ディープテックという言葉が安易に使われすぎて、本来の意味が薄まっている。真にディープテックと呼べるのは、 「Will people buy it?」ではなく「Can we build it?」が主たる不確実性になっている領域である。」